矯正治療とは
噛み合わせの悪い歯並びを噛み合うようきれいな歯並びにする歯科治療です。
歯が不揃いだったり、上下のアゴの歯並びがお互いに噛み合わない状態を、専門的には「不正咬合」といいます。
歯並びをきれいにするために、歯を削り差し歯にすることなく、矯正装置を通じて、歯やアゴの骨に力をかけてゆっくりと動かし、歯ならびと噛み合わせを治していきます。
メリット・デメリット
【メリット】
- 美しく整った歯並びは、むし歯や歯周病に対し抵抗力が高まる。
- 正しいかみ合わせによる十分なかみ砕きにより、消化を助けるとともに顎の関節を守ることができる。
- 自分の口元に自信が持つことで気分が明るくなり、日常生活における勉強や仕事の能率を上げる事ができる。
【デメリット】
- 少しずつ顎や歯を動かすために治療が長期化することがある
- 基本的に保険適用されず、自費診療となり、治療費が全額負担となるため、高額になることがある。
- 装置を装着した治療となるため痛みや圧迫感があり、ストレスとなる場合がある。
- 歯並びを整え、咬み合わせを改善する治療のため、やむを得ず、健康な歯を抜く可能性もある。
矯正治療のながれ
- 初診(相談)
治療のあらましを説明し、治療内容の相談を行います。 - 精密検査
レントゲン撮影や、歯の型取り、歯や顔の写真撮影を行います。 - 診断(検査結果の説明)
2の検査結果を説明し、治療方法や装置、期間、費用などの具体的な説明を行います。 - 治療開始
治療内容をご理解いただいた上で、治療を開始いたします。
こんな症状・お悩みはありませんか?
歯並びや咬み合わせが悪いと、審美的な問題だけでなく、虫歯や歯周病になりやすいほか、発音がおかしくなることもあります。しかし、矯正治療によってこれらの問題を解決することができます。
美しく整った歯並びは、むし歯や歯周病に対し抵抗力があります。また、正しいかみ合わせによる十分なかみ砕きにより、消化を助けるとともに顎の関節を守ることができます。さらに、自分の口元に自信が持てれば気分が明るくなり、日常生活における勉強や仕事の能率を上げる事ができ、ひいては全身の肉体的な健康をも向上させることにつながります。
※矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費診療です。
ワイヤー矯正
ブラケット(歯の表面につける装置)を歯にとりつけ、そこにワイヤーを通し、矯正したい方向に適切な力をかけることで歯並びを整える方法をワイヤー矯正といいます。奥歯を含めたすべての歯列と咬み合わせを整える「全顎(全体)矯正」と、前歯を中心に整えたい部分のみに特化した「部分矯正」があります。
ブラケットには、メタルブラケット・審美ブラケット・リンガルブラケット(舌側矯正)の3つの種類があります。
- メタルブラケットの場合、シルバーの矯正装置とカラーゴムでアクセサリーとして楽しむ人も増えてきています。
- 写真は、下の前歯に審美ブラケット(透明の装置)をつけた状態です。
- 全く人知れず治療を勧めたいという方には、内側に取り付ける装置がおすすめです。
ニーズに応じた装置がありますので、ご相談ください。
マウスピース矯正
「矯正治療をしているのを他人に知られるのがどうしても嫌!」な方向け
取り外しができる透明なマウスピース型の装置を使った矯正方法です。
【メリット】
- 近くで見ても装置が入っていることがわからない
- セルフケアがしやすいので、虫歯になりにくい
※対応できない症例もあります。
外科矯正(健康保険適応)
兵庫県の更生医療機関に認定されています
重度の上顎前突や下顎前突、顎のゆがみ、開咬等の方で、全身麻酔で行う外科手術を併用する治療、あるいは口唇口蓋裂などの先天性疾患の治療においては、健康保険を適用して矯正治療を受けることが出来ます。 当院の院長は更生医療機関に指定されている矯正治療専門医です。
外科手術に関しての主な紹介先は以下の通りです。
- 大阪歯科大学付属病院口腔外科
- 神戸市立医療センター中央市民病院
この他にも、ご要望に応じてどの医療機関にもご紹介できますので、遠慮なくご相談ください。
診療例
叢生(乱くい歯)の矯正治療例
18歳(初診時)女性。
小さい頃から歯並びが悪いことに対して大きなコンプレックスを持っておられました。
顎に比べて歯の大きさが大きかったため、きれいに生えることができず、食事の時や人と会話する時、いつも口元が気になり、大きく口を開けることができなかったそうです。
治療は、歯と顎の大きさのバランスを取るため、上下左右の4番目の歯を抜いています。
約2年間のワイヤー矯正治療によってとてもきれいな歯並びになり、見た目もかみ合わせも非常に良くなりました。
治療を終えた患者様は『口元に自信が持てるようになったことで、いろんなことに積極的に取り組めるようになった』ととても喜んでおられます。(治療費:約92万)
上顎前突(出っ歯)の矯正治療例
23歳(初診時)女性。上の前歯の先端が約11ミリも前に出ていました。
そのため、口を閉じることができず、常に唇から歯が飛び出しており、無理に唇を閉じようとすると、筋肉が緊張するため、顎に梅干しのようにしわがよってました。
また、口の中が常に乾燥状態にあるため、飛沫感染(風邪やインフルエンザなど)や口内炎を引き起こしやすい状態でもありました。
約3年ほどの治療期間を要しましたが、矯正治療のみで完全に治すことができました。
上の前歯の傾きが正常になり、筋肉に力を入れなくても自然に唇を閉じることができエステティックライン(顔を横から見たときに、鼻の先端と顎を結んだ線)の中に唇がほぼ綺麗に収まっています。
治療後、素敵な男性と出会われ、ご結婚されたのですが、矯正治療をしたお陰だととても喜んでおられました(治療費:約92万)
咬合誘導による矯正治療例
咬合誘導とは、成長期の間の顎の成長を妨げている要因を取り除いたり、積極的に永久歯の生える隙間を作ったりして正常な永久歯列へと導くことで、 永久歯歯列矯正の予防的治療です。
写真は7歳女児。指しゃぶりが原因で上顎前突(出っ歯)になっておられました。また、口呼吸(常に口を開け、鼻ではなく口で呼吸すること)で息をされていました。口呼吸は、口の中や上気道の感染を引き起こしやすくなるだけでなく、集中力の低下を招くと言われています。
早い時期に適切な咬合誘導を施すことにより、永久歯の歯列矯正が必要でなくなるケースが少なくありません。咬合誘導のメリットとしては、より理想的な正常咬合が得られること、再発の心配が少ないこと、治療費用が安いこと等が挙げられます。
この患者様は約4ヶ月間、”トレーナー”というゴムのような装置をはめて寝ていただくだけで、顎の関係は全く正常になりました。ご両親が早期に対応されたため、簡単な治療で大きな問題が解決されました。 成長期だからこそ可能な治療法です。 ちなみに、この装置は筋機能療法(MFT)という理論に基づいて作られています。(治療費:約30万)
40代 叢生(乱くい歯)の矯正治療例
叢生(そうせい)とは、歯並びが不揃いで凸凹、がたがたの歯列(乱くい歯)や犬歯が飛び出した状態(八重歯)を指します。見た目の美しさもですが、歯の隙間に歯垢が溜まりやすい上、歯が重なっていて磨きづらいため、虫歯や歯周病のリスクも高く、顎の動きを制限することで顎関節症の原因となる場合があります。
写真は40代女性。お口を閉じたとき、かみ合わせの隙間が目立っていましたが、26か月後すっきりとしたかみ合わせとなりました。(治療費:約90万 期間:約2年)