筆者別アーカイブ

by たなか歯科医院
「行列のできる歯科医院 4」発刊のお知らせ
2008年 06月01日
こんにちは! 院長の田中です。

このたび、私がその一部を執筆させていただいた本「行列のできる歯科医院 4」が全国の書店で発売されることになりました。これは、私と他3人の女性院長が開業のいきさつから歯科医院経営のノウハウについて語り、全体を経営コンサルタントがまとめているという形式のものです。

この執筆の依頼を引き受けるに当たっては、正直なところ、随分ためらいがありました。自分の内情を公表することに多少抵抗があったこと、果たして自分の経験で他の歯科医師の参考になるようなことがそんなにあるだろうかという疑問、学術的な文章ならともかく、自分のオリジナルな考えや思いを40ページもの文章にすることができるだろうかという不安があったからです。

出版社の方から、“歯科界の発展のために、若い歯科医師のために、なんとかお願いします!”と強く請われ、しぶしぶお引き受けしたというのが最初でしたが、実際に書かせていただき、今はこのような機会を与えていただいたことに心から感謝しています。

今回の執筆は、開業後16年間の軌跡を振り返る良い機会となりました。このような機会でもなければ、なかなか自分を振り返ることなどなかったでしょう。自分の行ってきたことや考えをまとめることにより、初心を改めてしっかりと認識できましたし、新たに発見できたこともありました。また、自分の書いた文章が、変な話ですが、意外と自分への戒めにもなったのです。

以下に、この本の総編著者である稲岡勲様からいただいたコメントを紹介させていただきます。

三田市の広大なニュータウンの医療ゾーンの一角に、たなか歯科医院があった。田中希代子先生が応接室に入ってこられたときは、一瞬スタッフの人かと思うくらいに若く見え、とても19歳の大学生と16歳の子供さんがいる先生には見えない!
田中先生と話していて思うのは、理想に向かって突き進む強固な意志の人という印象である。こういう書き方をすると何か固い、怖いイメージになるが、そうではなく、知的だが柔らかい、温かい明るい感じの先生である。先生も書かれているが、開業前に歯科医師である夫の丸二日間にわたる意識不明の交通事故、生後2ヶ月と2歳になる子供2人を抱えての呆然自失の状態から這い上がり、その後、夫である院長が次々に起こす医療事故に遭いながら、自ら院長となり、自分の専門としていた矯正だけではなく、一般歯科にも手を伸ばして徹底して研修を積まれている。「夜な夜な抜去歯牙で練習を重ねた…」と書かれているが、尋常ではない努力だと感銘さえ覚えた。
JIADSといえば、私のような素人でも、そのレベルの高い治療では定評があることを知っているが、そのJIADSの歯内療法コース、審美補綴コース、再生療法(GTR)コース、歯周治療コース、インプラントコース、同アドバンスコース等々、研修を総舐めにされている。国内だけでなく海外にも足を運んでおられるが、その治療技術向上への熱意、より上を目指しての執念は尋常ではない。雑菌が極めて少ないというインプラントのオペ室もそうした考えから作られているのだろう。こうした姿勢は、技術習得だけではなく、経営管理一般に及んでいる。例えば平成10年2月から院長を交替して、「医院の治療方針、経営方針が180度変わるに当たり、(中略)その変化に付いてこられないと判断したスタッフには退職してもらいました」と書いておられるが、こうした決断は強い信念なくしてはできるものではない。過去を引きずらない思い切った決断が院長交代以後飛躍的に業績が伸びた大きい理由であるように思う。
医院経営は、まず何よりも診断技術や治療技術に力を入れることが重要である。歯科医院にとって、研究・技術開発は一般企業の商品開発と同じであると同時に、その商品は患者に理解し、納得してもらわないと収入という業績に結びつかない。しかし、知識や技術に関する研究投資は経営的には即効性が無いから、患者サービスに走る傾向が強い。エビデンスに基づいた本当に患者の生体に対する深い理解と配慮、また磨かれた審美性が必要だと思う。研究投資はある一定の水準を超えて徹底して差別化し、且つある程度の時間をかけ実績を積み上げないと、具体的な形で収入に貢献しない。たなか歯科医院の場合、それが実に理想的によくバランスされているように思う。それは技術一辺倒でもなく、診療所の改装にもデザイナーを起用して、患者への配慮が十分なされているし、スタッフの技術教育やサービス教育にも患者との関係密度を高める配慮がなされている。
とくに印象深いのは、朝礼から“終礼”、“反省会”、“相互実習”、“ミーティング”などスタッフの学ぶ場が実に多いことだ。こうしたスタッフ教育や人事評価など、スタッフの管理面で特異性のあるすばらしいシステムを構築されていると思う。特に感心したのは、“給与条件変更希望調査票”である。この種のスタッフの希望を聞くことに少なくとも躊躇される場合が多いのは、スタッフの要求を抑え切れなかった場合の、副作用を恐れるからである。いや抑えたつもりが納得してなくて退職になってしまう危険性があるからである。しかし田中先生は調査票をもとに徹底した話し合いをもたれている。本人の課題は何かを気付かせ、それに挑戦させ、そうしてその成果を評価し、励まし、ときには誉め、「指導者がその過不足を上手く調整してあげると、その人の能力をしっかりとよい方向に伸ばすことができるように思います」と書かれている。
また父親の「経営者は我慢が大切や」という言葉を紹介されているが、「先生は父親の事業を通しての経営哲学を、自然に父親の背中から学んでおられるのかも知れない」とふと思った。先生と話してみて、その信念、決断力は、経営者として一流の域に達しておられるなと思ったことである。

以上のように、かなり過分な評価をいただき、とても恐縮しておりますが、逆にこのコメントに相応しい器になるよう努力しなければと改めて身を引き締める思いでおります。

院長 田中希代子
by たなか歯科医院
顎関節症とストレス
2008年 03月02日
こんにちは。院長の田中です。久しぶりに書かせてもらいますね。

現代はストレス社会と言われ、実際に不登校やひきこもり、うつ病などが年々急速に増加しているようですが、歯科の分野でも同様の現象が起こっています。

顎関節症という病気ですが、聞かれたことはありますか? 学校検診に行っても、来院される患者さんを診ていても増えてきているのを感じます。

顎関節症の直接の原因は顎の関節にかかるメカニカルストレスつまり機械的外力ですが、事故や暴力などによる外傷を除けば、ほとんどは精神的ストレスが大きな助長因子になっているのです。

ストレスがあると、それを発散させるため、人は寝ているときに食いしばったり(クレンチング)、歯ぎしりをしたり(グラインディング)します。寝ている時の力は起きている時の力の10倍以上と言われ、女性でも100kg以上の力で噛み締めているそうです。この寝ている時の機械的外力が顎の関節に悪さをして、顎関節症を引き起こします。

初期の主症状は、
“顎や顎の筋肉が痛い”
“口が開け難い”
“口を開け閉めした時に音がする”です。

約7割の人ではこれらの症状は自然に消失しますが、約3割の人では症状が持続し、中には慢性的な偏頭痛、眼底痛、味覚障害、自律神経失調などの重篤な症状に発展して、日常生活に大きく支障をきたす人もいます。但し、症状が消失したからといって、必ずしも元通りに治っているとは限りませんので、要注意です。

やはり、なるべくストレスをためない生活をする、顎に負担がかかるような生活習慣を改める等の予防的アプローチが一番大切ですね。

また、万が一、前述のような症状に気がつかれたら、できるだけ早く相談していただくことが大切です。発症直後であれば、たいてい元通りに治せますが、子供で2週間、大人で6ヶ月が経過すると、それはかなり難しくなってしまいますから。

院長 田中希代子
by たなか歯科医院
西洋人と日本人の歯に対する感覚の違い
2007年 05月16日
今回は西洋人と日本人の歯に対する感覚の違いについて考えさせられたトピックです。

私はプライベートで西洋人の方とお話しする機会が時々あるのですが、その際、歯医者だと分かると、よくされる質問があります。



それは、“日本人はファッションに敏感で服装もおしゃれだし、化粧もきれいにしているのに、どうして歯だけはノーケアーなの?”という内容。



初めてこのような質問を受けたとき、私はとっさに、その生活習慣の違いから口への関心の度合いが違っているからだと答えました。つまり、西洋人は挨拶代わりにキスをする習慣があるのに対して、日本人は親しい人以外とはあまり顔を近づけることをしないということが関係していると考えたのです。でも、その後、数人の外国人から同様の質問を受ける機会がある中で、それはあまり関係がないということが分かりました。というのは、西洋人の国の全てにそのような習慣があるわけではないらしいからです。



ならば、一体どうしてなのでしょうか?



日本人のほうが、より不潔なのでしょうか???

日本人のほうが、より無精で面倒くさがり屋なのでしょうか???

私にはそうは思えません。日本人のほうがむしろお風呂好きで清潔だし、勤勉だし…



そこで、今のところ私が感じている理由はこうです。

西洋人は歯を顔の一部、表面的な体のアイテムと考えているため、“洋服や化粧と同じように、歯にお金や時間をかけるのは当然!”の感覚だけれども、多くの日本人の場合、歯は体の中の一部(隠れた部分にあるもの)という認識のため、“歯の見た目をさほど気にしないのが普通”の感覚なのだろう、と。



当医院に通われている方々の多くは、“歯は顔の一部”と考える西洋人的な感覚の持ち主だと言えますが、一般社会では、残念ながら、“歯は体の中の隠れた部分”という考え方の人がまだまだ多いように思います。

グローバル化が進む現在、この感覚のギャップはいろんな意味で、少々問題ではないでしょうか。GDP世界第二位の先進国なのに、口の中はすっかり後進国だとしたら、とても残念なことですよね。早く、外国人からこんな質問をされないような日本になりたいものです。



院長 田中希代子
by たなか歯科医院
アメリカ歯周病学会に参加して・・・
2006年 11月22日
今年のAAP(アメリカ歯周病学会)はカリフォルニア州のサンジェゴで開かれました。
サンジェゴは、メキシコ国境に近いアメリカ第6位の大都市です。気候は乾燥しており、日隔差が大きいため、昼の直射日光は射すような感じですが、夜になると、厚手のコートがあってもいいなと思うくらい肌寒い状態です。また、町には美しいヤシの並木があり、一部の海岸ではアザラシも見られました。日本人の感覚からすると、なんとも奇妙な感じですね。

さて、学会ですが、今回は日本歯周病学会とコラボレートされていたので、いつもより日本人の参加者が多かったのが印象的でした。
アメリカの最先端と日本の最先端、並べて見ることができたのは良かったと思います。ただ、日本は研究においても臨床においても、決してアメリカにひけをとっていないのですが、英語力が不足しているため、プレゼンテーションにおいては、かなり見劣りしてしまっているのがとても残念でした。世界と張り合うためにはやはり英語力は不可欠ですね。

全体的な印象としては、技術的な面においては、あまり目新しいものはないように感じました。トピックとしては、“ピエゾサージェリー”と“GEM21”が画期的と言えるでしょう。

“ピエゾサージェリー”というのは超音波を応用した組織の切削機械で、モードの調節により骨は切れても軟らかい組織は切れないようにしたり、その逆にしたりできます。これを用いると、インプラントのための上顎洞挙上手術や骨の採取がメスやバーを使うよりもはるかに安全かつ容易に行うことができます。早速、注文をしてきましたので、まもなくたなか歯科医院にお目見えする予定です。

一方、"GEM21"というのは薬剤で、あるグロースファクターを臨床応用したものです。歯周病によって失われた歯槽骨(歯を支えている顎の骨)を再生させることができます。アメリカでも昨年の11月に認可が下りたばかりの新薬で、残念ながら、日本ではまだ販売されていません。臨床報告を見る限りでは、現在日本で販売されている歯槽骨再生治療薬の“エムドゲイン”よりずっと効果がありそうです。今回、3症例分だけ買ってきています。これはクールダウンが必要な薬なので、アイスボックスごとスーツケースに入れなければならず、たった3個でも結構大変な思いをして持って帰ってきました。是非試してみたいという方はご相談ください。先着順です…(笑)

学会出席中、予約の面では患者様にご迷惑をおかけしたと思いますが、お陰様で、十分にエネルギーを充電してこられたと思います。それをたなか歯科医院の今後の治療に還元していきます。乞うご期待!!!


院長 田中希代子

                 
by たなか歯科医院
院長からのご挨拶
2006年 11月01日
この度、ホームページをリニューアルいたしました。

今後は私やスタッフの活動等もコラムを通してできるだけ小まめにお伝えしていきたいと思っていますので、ご覧いただければ幸いです。

私をはじめスタッフ一同、今まで通り、「健康で美しく長生きをする」ためのお手伝いをさせていただきます。
患者様一人一人のお口の健康のため、誠心誠意取り組んでまいります。


院長 田中希代子