今回は西洋人と日本人の歯に対する感覚の違いについて考えさせられたトピックです。
私はプライベートで西洋人の方とお話しする機会が時々あるのですが、その際、歯医者だと分かると、よくされる質問があります。
それは、“日本人はファッションに敏感で服装もおしゃれだし、化粧もきれいにしているのに、どうして歯だけはノーケアーなの?”という内容。
初めてこのような質問を受けたとき、私はとっさに、その生活習慣の違いから口への関心の度合いが違っているからだと答えました。つまり、西洋人は挨拶代わりにキスをする習慣があるのに対して、日本人は親しい人以外とはあまり顔を近づけることをしないということが関係していると考えたのです。でも、その後、数人の外国人から同様の質問を受ける機会がある中で、それはあまり関係がないということが分かりました。というのは、西洋人の国の全てにそのような習慣があるわけではないらしいからです。
ならば、一体どうしてなのでしょうか?
日本人のほうが、より不潔なのでしょうか???
日本人のほうが、より無精で面倒くさがり屋なのでしょうか???
私にはそうは思えません。日本人のほうがむしろお風呂好きで清潔だし、勤勉だし…
そこで、今のところ私が感じている理由はこうです。
西洋人は歯を顔の一部、表面的な体のアイテムと考えているため、“洋服や化粧と同じように、歯にお金や時間をかけるのは当然!”の感覚だけれども、多くの日本人の場合、歯は体の中の一部(隠れた部分にあるもの)という認識のため、“歯の見た目をさほど気にしないのが普通”の感覚なのだろう、と。
当医院に通われている方々の多くは、“歯は顔の一部”と考える西洋人的な感覚の持ち主だと言えますが、一般社会では、残念ながら、“歯は体の中の隠れた部分”という考え方の人がまだまだ多いように思います。
グローバル化が進む現在、この感覚のギャップはいろんな意味で、少々問題ではないでしょうか。GDP世界第二位の先進国なのに、口の中はすっかり後進国だとしたら、とても残念なことですよね。早く、外国人からこんな質問をされないような日本になりたいものです。
院長 田中希代子